病院でなかなか治らないものの一つに腰痛があります。

整形外科という専門科目があるにもかかわらず、治らない方がたくさんいます。


検査をしても「異常なし」と言われたり、

あるいは何らかの異常が見つかっても、痛みは取れなかったりします。


「異常なし」なのに痛むのはなぜなのでしょうか?

あるいは、原因がわかったはずなのに痛みが取れないのはなぜなのでしょう?

そして、そのような時どうすればよいのでしょうか?

目次

検査でわかることは全体の一部に過ぎない

腰痛で病院にかかるとレントゲンを撮ってくれます。
大きな病院では、CTやMRIなどさらに詳しい検査をしてくれることもあります。

そのような検査をしてもらうと、腰痛の原因がわかり、効果的な治療をしてもらえるのではないかと期待します。

ですが、病院の検査でわかるのは腰痛の原因のほんの一部に過ぎないのです。
その理由を説明します。

画像に映るのは骨と軟骨だけ

レントゲンを見たことがある方は、うっすらとした体の輪郭線の中に骨が写っているのをご覧になったことがあるでしょう。

CTやMRIなどの画像では、さらに骨の断面や立体的な画像なども見ることができます。

しかし、そこに写っているのは骨と軟骨だけです。
画像検査は、骨と軟骨を見るための検査なのです。

しかし、腰痛の原因は骨や軟骨だけにあるのではありません。

また、骨や軟骨から痛みを発している場合でも、変形等の見た目の変化がない限り検査では異常なしと判断されます。

病院の検査でわからない腰痛の原因はたくさんあるのです。

異常が見つかっても痛みの原因とは限らない

レントゲンで骨や軟骨に異常が見つかると、それが痛みの原因であるとお医者さんは判断します。

しかし、骨や軟骨の見た目の変化と腰痛とは関係のないこともよくあることです。

例えば、腰に痛みのない人のレントゲンを何十人も撮ると、その中に椎間板ヘルニアの方が一定の割合で見つかるそうです。ヘルニアという骨の異常があっても腰に全く痛みのない人もいるのです。

また、激しい腰痛があり、椎間板ヘルニアだろうと思ってレントゲンをとってもなんの異常もないということもよくあります。

レントゲンで見ると腰椎の変形がひどく、「骨が変形しているから治らない」とお医者さんに言われた腰痛が鍼治療で治ってしまうこともよくあります。

検査で骨や軟骨に異常が見つかっても、それが痛みの原因とは限らないのです。

腰痛の原因は腰だけにあるのではない


では、骨や軟骨以外の腰痛の原因としては、どんなものがあるのでしょうか?

主なものをいくつか紹介すると、


● 腰を前から支えるお腹の圧の不足
● 筋肉のこわばりをもたらす自律神経の緊張
● 血液やリンパ液の循環を悪くする食生活の問題

などが挙げられます。

胃腸虚弱が腰に負担をかけている例

例えば、胃腸虚弱で食欲不振や下痢をしやすい体質の方は、腹腔内の圧力が弱くなります。

腰は、後ろからは腰の筋肉で支えられますが、前からは腹腔内の圧力により支えられています。

そのため、お腹の圧力が弱くなると、背中が丸まり腰の筋肉が疲労したり、脊柱の前側に負担がかかり椎間板が圧迫されたりして腰に痛みを生じます。

この状態が続くことで、ヘルニアになってしまう方もいます。

このような腰痛はレントゲンを撮っても痛みの原因はわかりません。
腰の症状と、お腹の調子を含めた全身の体調を伺い、お腹と腰の両方を触診して初めて腰痛の原因を見つけることができるのです。

ストレスが腰痛の隠れた原因である例

もう一つの例として、ストレスが腰痛の原因である例も紹介しましょう。

緊張して肩がこった、という経験をしたことのある方は多いと思います。

緊張すると自律神経のうち、交感神経の活動が活発になるために無意識のうちに筋肉に力が入るのです。

この緊張が、脊柱起立筋という首から腰まで伸びている筋肉に沿って広がってしまうことがよくあります。すると、腰に張った感じの痛みが出てきます。

また、脊柱起立筋のこわばりが腰椎の関節部分にゴリゴリとした「しこり」を作ってしまうこともあります。

この状態になると、椅子から立ち上がるときに痛くて腰が伸びなかったり、朝起きるときに腰が痛くて起き上がれなかったりします。

このタイプの腰痛は病院では「変形性腰椎症」と言われることも多く、腰の骨が変形しているなら治らないだろうと思う方も多いのですが、

腰を含む背中の筋肉のこわばりをゆるめ、自律神経の緊張を和らげる鍼治療をすることで痛みがなくなる方がたくさんいます。

このタイプの腰痛も病院の検査では痛みの原因はわからず、腰の症状とともに、睡眠や肩こりや精神状態など全身の体調を詳しく伺うことで初めて腰痛の原因を見つけることができるのです。

腰痛の原因を見つけるために教えてほしいこと

あおば治療院では効果的な治療をさせていただくために、初診時に予診票をお書きいただき、腰以外の体の状態や普段の生活習慣についても詳しくお伺いします。

それに加えて、腰の症状についてもなるべく詳しく教えていただけると、腰痛の原因を見つけるために助けになります。

ふだん、腰の痛みに悩まされていても具体的なことを聞かれると意外と答えられないことも多いものです。

例えば「どんなふうに動かすと痛いですか?」「座っているときと立っている時どちらが痛いですか?」などと質問してもはっきり答えられる方は意外と少ないのです。

治療に来る前に、痛みの場所、どのような痛みなのか、どうすると痛いのか、どういうときには楽なのか、などを分かる範囲で観察してきていただけると、腰痛の原因を正確に把握しやすくなり初回から効果的な治療をさせていただきやすくなります。

わかる範囲でかまいませんので、よろしくおねがいします。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。