心配事を増やさない方法、五月病にならないために
すっかり春めいてきましたね。御殿場でも桜が咲き始めています。
写真は日本一の早咲きと言われる土肥桜を2月の初めに撮影したものです。
今日は、五月病の話をしたいと思います。
まだ3月なのにと思うかもしれませんが、4月の入学や入社、あるいは転勤などの前に五月病を理解することはスムーズな新生活を始めるうえで助けになると思います。
新年度に環境が変化しない方にも不安やストレスに対処するうえで役立つ知識もあると思いますのでぜひお読みください。
目次
怠けているのでなく、怠けられない人が5月病になる
五月病とは4月に入学や入社した人が、仕事や学校に慣れてきた5月頃になって、徐々に意欲が出なくなる、体調が優れない、気分が落ち込むなどの症状が出て職場や学校にいけなくなる状態です。
本人はとてもつらいのですが、周りの理解を得られず「怠けている」「甘えている」などと誤解されることも少なくありません。
五月病とは、不慣れな環境で緊張しながら一生懸命やってきた人が、5月くらいにそれ以上がんばり続けることができなくなって発症した一種のうつ病です。
怠けていたからなったのではなく、怠けることもせずに神経を張り詰めていたから五月病になったのです。
このような状態の時、脳の中ではドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質が枯渇してしまっています。
頭の中で四六時中、考え事や心配事がグルグルと渦巻いていたために、神経伝達物質が消費され続けて出てこなくなってしまったのです。
神経伝達物質が出なくなると、脳も体も正常に働けなくなるので意欲も興味も湧いてきませんし、体に力も入らなくなり会社や学校に行くこともできなくなるのです。
あらかじめ心配事を減らしておく
職場や学校があまりにもストレスに満ちているのであれば、その人に合わない環境に身を置いてしまったのかもしれません。
しかし五月病は、本人には過剰なストレスを感じているという自覚がなくても発症することが多いのです。
それは、小さな心配事をいくつも抱えた累積効果によって頭の中で考え事が続いてしまうことがよくあるからです。
脳科学の専門家によると、ほとんどの人は常に2つか3つくらいの心配事が頭の中にあり、意識的にしろ無意識的にしろ、その事をなんとなく考えてしまうそうです。
そう言えば、僕も不景気のニュースを聞くたびに「治療院がつぶれるのではないか」と考え、妻が不機嫌そうに見えたりすると「ついに愛想を尽かされたのか」と考え心配事ばかりしているような気もします(笑)
このような日常の心配事に新たな心配事が加わり、心配事の数が5つを超えると脳の神経伝達物質の供給が追いつかなくなると専門家は言います。
もっとも、性格や健康度には個人差もあるので5つというのは目安だと思いますが、心配事の数をなるべく増やさないようにすることは大切です。
入学や入社の時期は覚えることも多く、また人間関係の変化もあり不安や心配が付きものです。
さらに、転居して生活環境も変わる場合もあり、それが心配事につながることもあるでしょう。
このような時期には、それ以上心配事が増えないように新しいことを始めないほうが良いと専門家は指摘します。
例えば英会話などの習い事を始めるとか、スマホやパソコンを買い替えて操作方法を覚えるなどの新たな負担となることは、新生活に慣れた6月以降におこなうのがよいといいます。
これは、とても参考になる考え方だと私も思います。
テレビから不安になる情報を取り入れない
心配事を増やさないためにもう一つ大切なのは、テレビなどのマスコミから不安になる情報を取り入れないよう注意することです。
テレビの報道には、起きたことをそのまま伝えるのではなく「見た人がなるべく不安になるように伝える」という特徴があります。
それは、視聴者を不安にさせればチャンネルを変えずに番組を見続けてくれ、また続報が気になり翌日も同じ番組を見てくれるからです。
視聴率が下がればスポンサーが離れテレビ局は収益を得られません。不安をあおって視聴率を上げることはテレビ局にとってとても大切な生き残りの手段なのです。
この「不安になるように伝える」という報道手法は、3年余り続いたコロナ報道を見れば皆さんもお分かりなのではないでしょうか。
また、テレビには過去の報道の誤りを訂正しないという特徴もあります。
例えば1990年代にダイオキシン問題が盛んに報道されたことを憶えているでしょうか?
石油製品を焼却するとダイオキシンという猛毒が出てガンなどさまざまな病気を引き起こすという報道です。
日本中で焼却炉の改修が行われ、御殿場市においても庭でごみを燃やすのが禁止されたりしました。
ところがその後、動物ではダイオキシンが病気を引き起こすことがあっても、人間には全くの無害であることが明らかになったのです。
しかしダイオキシン報道で人々の不安をあおり続けたテレビ局は、ダイオキシンが無害であることが分かってもそのことを全く報道しません。
そのため多くの人がダイオキシンは猛毒であると今でも信じています。このような例がたくさんあるのです。
戦争、不景気、事故や災害、犯罪、気候変動や食糧不足などテレビはあの手この手で人々の不安をあおります。
そのような番組を見続けることで、不安の種を心にまかないようにお気を付けください。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。