寒い日が続いていますね。冷え性の方にはつらい季節です。

冷えで悩む方はとても多く、女性誌などでも冷え性改善のための記事をよく目にします。

その中には、「ここにお灸を据えればよい」という鍼灸の先生の書いた記事などもありますが、残念ながら効果は薄いようです。

現代では冷え性の原因が昔と異なり、お灸が効くタイプの冷え性が減ったからです。

目次

冷え性の3つのタイプ

冷え性には3つのタイプがあります。
それぞれのタイプ別に対処法を書いてみます。

1,体を温める力が弱い虚弱型の冷え性

まず1つ目は、体を温める力の弱い虚弱タイプの冷え性です。

このタイプの方は、冬はもちろん夏でも体が冷えやすく、一年中長袖のシャツを着ていたりします。 食が細く元気がなく声も小さいという方が多く、慢性的に下痢をしやすい傾向があります。

体を温める作用のあるお灸や温泉、ショウガ湯などが効果的です。

有名な「薬用養命酒」もこのタイプの冷え性の方のための商品です。

昔は、冷え性といえばほとんどがこのタイプの方でしたが、現代では少数派になりました。

食糧事情や住宅設備などの生活環境が改善されたことにより、遺伝的に虚弱傾向のある方以外ではこのタイプの冷え性が起こりづらくなったのでしょう。

冷たい食べ物や生物(生野菜やお刺身、乳製品など)を避け、生姜、紅茶など体を温める食べ物を意識的に摂り、保温に気をつけて過ごしていただくのがおすすめです。

このタイプの方にはお灸も効果的です。関元、太谿、三陰交などのツボに市販の千年灸などを据えると良いでしょう。

関元、太谿、三陰交の位置

関元はおへそから恥骨の上端までを5等分して上から5分の3の位置にあります。

太谿は内くるぶしとアキレス腱との中間、三陰交は内くるぶしから指の幅4本分ほど上の骨と肉とのきわにあります。

ツボは「だいたいこのあたり」というかんじで大丈夫です。

2自律神経の緊張による循環不良タイプ

2つ目のタイプは、循環不良のために手先や足先など末梢が温まらないタイプの冷え性です。

手足の先は冷たいのですが、体を温める力が弱いわけではないので全身的な寒がりではありません。

体力はあるので仕事や家事を元気にこなし、食欲もありますが便秘傾向の方が多くみられます。

秋冬は冷えに悩まされますが、夏は逆に暑がりだったりします。

手先や足先の冷えはかなりしつこく、お風呂やこたつなどで温めてもなかなか温まりません。

生姜などの体を温める食べ物もあまり効果がなく、お灸も残念ながら効きません。

循環が悪いために手足の先に血液が十分に巡らないので、お灸をしても手足の先までお灸の熱が届かないのです。

現代の冷え性で一番多いのはこのタイプの方です。

このタイプの方は、肩や首のこりに悩まされている方が多く、コリの原因も手足の冷えと同じく循環不良であり、さらに言えばこの循環不良は自律神経の緊張が原因となっていることがほとんどです。

女性の方では月経痛や月経不順に悩まされている方も多くいらっしゃいます。

このタイプの方は鍼灸やマッサージの治療が効果的ですので、可能であれば来院をおすすめしますが、ご自分でできる対策としては軽い運動をしていただくのが効果的です。

運動は、好きなスポーツがあればそれをしていただくのが良いのですが、特に無いという方はウォーキングをおすすめします。

さらに、ウォーキングは可能であれば朝の時間帯にしていただくのがとくに効果的です。

ウォーキングなどの軽い運動は、セロトニンという自律神経を整えるホルモンの分泌を促す効果があるのですが、朝の時間帯に運動すると分泌促進効果が特に大きくなることが知られています。

また、朝にセロトニンが分泌されると、夜にメラトニンという安眠をもたらすホルモンに変化するために睡眠が深くなり、自律神経をさらに整える効果が見込めるのです。

3,顔がほてり足が冷える「冷えのぼせ」タイプ

冷え性の3つ目のタイプは、足は冷えるのに顔や頭は熱くなるという「冷えのぼせ」タイプです。

閉経期前後の女性に多く見られるために、更年期の症状と考えられがちですが、若い女性やあるいは男性にも冷えのぼせの症状を訴える方が意外と多くいらっしゃいます。

2の「循環不良タイプの冷え性」よりも、さらに自律神経の緊張が強くなるとこのような「冷えのぼせ」の症状が起こることが多く、暖房をつければ顔が熱く、暖房を消せば足が寒いという不快な症状に悩まされます。

昔から健康の秘訣として「頭寒足熱」ということが言われています。

頭は冷やすとよく、足は温めると良いということですが、これは頭は熱くなりやすく、足は冷たくなりやすいという傾向が、もともと人の体にはあるということなのです。

そのような体の状態を調節し熱の配分を均等にしているのが自律神経なのですが、ストレスの多い現代社会では自律神経の機能が乱れがちです。

このようなタイプの方は、こたつや足温器などで足元を温め、暖房はつけず部屋は涼しいままにしておくとよいのかもしれませんが、ご家族がいるとそうもできないでしょう。

このような方も、可能であれば鍼灸の治療をおすすめしますし、朝のウォーキングも一定の効果が期待できますのでおすすめします。

現代病に医学が追いついていない

日本は長寿社会と言われるようになりましたが、日本人の平均寿命が50歳を超えたのは戦後のことだそうです。

それまでは栄養不足が原因で病気に対する抵抗力がなく、結核などの伝染病でなくなる方が非常に多かったそうです。

現代では栄養不足で病気になる方はほどんどいなくなり、平均寿命は大きく伸びましたが、ストレスによる自律神経の乱れや運動不足が原因で体調を崩す方が非常に多くなっています。

冷え性の原因が虚弱体質から自律神経の乱れに変わったように、肩こりや腰痛、頭痛などの原因も昔と大きく変わってきています。

しかし、現代医学も東洋医学も時代の変化に十分に対応できていない面が多々あり、病院にかかっても楽にならない症状でお困りの方がたくさんいらっしゃいます。

これらの症状についても原因や対処法などをブログで順次書いていきますので、またぜひ読んでくださいね。