2年前、コロナがひどく恐れられていた頃に、

病院での感染を心配し受診を控えたために、飲んでいた薬を切らせる人が続出した事があり、

持病を悪化させるのではないかと、心配の声が上がった事がありました。

ところが実際にはその逆で、薬を飲まなくなったらかえって体調が良くなる人が数多く出てきたのです。

「病気だと思っていたが、薬のせいで体調が悪かったのではないのか? 医者にだまされていたようなものだ」と語っていた人の言葉が印象に残っています。

目次

基準値が低くされている

薬を飲まないことで体調が良くなった人の多くは、
もともとなんの症状もなかったのに、血圧やコレステロールなどの数値の異常を健康診断で指摘され、薬を飲むようになっていた人たちです。

どこも具合が悪くないのに検査の数値が異常だから病気だと言われ
薬で数値が下がり「正常」と言われたのに、体調は逆に悪くなっていたわけです。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

いくつか理由がありますが、一番の原因は血圧やコレステロールなどの基準値が、必要以上に低く設定されていることだと思います。

血圧を例に取ると、1970年代までは血圧の基準値は、世界的に年齢プラス90〜100とされてきました。
つまり、60歳なら160、70歳なら170までは正常ということです。

ところが1978年に突如、WHOが「年齢に関わらず160以上は高血圧」という基準を制定します。

さらに、1999年にはこの基準が140に引き下げられます。

そして2008年にメタボ健診が始まると、日本においては130以上は高血圧とみなされるようになったのです。

薬で血圧を下げると病気が増える

なぜ血圧の基準値はどんどん引き下げられるのでしょうか?
血圧が低いと寿命が伸びたり病気にならなかったりするのでしょうか?
残念ながらそうではありません。
それどころかむしろ逆です。

血圧を下げると寿命が伸びるという統計的なデータはどこにも存在せず、
むしろ薬で血圧を下げると死亡率が上がったり、病気のリスクが上がるというデータがあるのです。



いくつか紹介すると、東海大学の大櫛陽一教授の研究によると、降圧治療を行ったグループと行わないグループを比較すると、行ったグループでは脳梗塞を発症する割合が2倍近く高くなったそうです。

また、海外の研究ですが65歳から85歳の血圧160以上の患者を
①140〜160のゆるめに降圧するグループ と
②140以下のきつめに降圧するグループ 
に分けて薬を2年間飲ませたところ、②のきつめに降圧したグループの死亡数は①のグループより29%も高くなったという研究報告もあります。

その他にも、降圧剤を飲んでいると癌の発症が増えるという報告や、高齢者における認知症やうつ病の発症率が上がるという報告もあります。

参考図書:やっぱり高血圧はほっとくのが一番 松本光正 
このクスリがボケを呼ぶ 近藤誠
やってはいけない健康診断 和田秀樹、近藤誠

なぜ基準値が下げられたのか

血圧を薬で下げても寿命も伸びず病気も減らないのであれば、なぜWHOや厚労省は血圧の基準値を下げ続けるのでしょうか?

この疑問について以前私は、
160以下に血圧を下げてみたが病気は減らなかった、
ならばもっと血圧を下げれば今度こそ病気が減るだろう
という予測のもとに再度基準値が引き下げられたのではないか、と推測していました。

そして、いずれそれが過ちであったとわかるときが来るだろう、と考えていました。

しかし、残念ながら実際はそのような善意に基づいた決定なのではなく
医薬業界の金銭的利益のために、血圧を薬で下げると健康上の問題が生じる場合があるというデータが出たあとも、それらのデータを無視して血圧の基準値の引き下げが行われたのである、
と、前述の参考図書の著者諸氏は述べています。

血圧の基準値が引き下げられると、降圧剤を飲む人の数が大幅に増える。
それにより製薬会社や医療機関が利益を確保し、厚労省の役人は製薬会社や医療法人への天下り先を確保できる。

これが血圧の基準値が低くされ続けている理由だというのです。

国民の健康より医薬業界の利益

多くの日本人の感覚からいうと、この説明は信じがたいものかもしれません。

医師会や製薬会社や厚生労働省が、自分たちがお金を儲けるために国民の健康を犠牲にするなどありえないだろう、と考えるのが通常の日本人の感覚です。

私も以前はそう考えてきました。
しかし、今回の新型コロナワクチン接種に対する厚労省や医師会の対応を見て、国民の健康よりも医薬業界の利益のほうが厚労省や医師会にとって大切なのだということがわかりました。

インフルエンザワクチン接種後の死亡報告は年間5〜6例であるのに対し
新型コロナワクチン接種後の死亡報告は1800件以上に達します。

また、半数以上の方に接種後の発熱や頭痛などの副反応が現れます。
これは今までのワクチンには見られなかったことです。

新型コロナワクチンは特例承認という形で使用が許可されていますが、2023年までは治験中であり、中長期的にどのような健康被害が出るかは不明です。

このように今までのワクチンに比べ明らかに危険性のあるものを、コロナに感染したとしてもほとんど重症化することのない子供にまで接種を行うという決定は、国民の健康を第一に考えるのならばありえないと考えます。

また「現在のワクチンはオミクロン株に対しては効果がない」とファイザー社の社長が明言しているのにも関わらず、高齢者に対して4回目の接種を行っているのも、国民の健康よりもワクチン接種による医薬業界の金銭的利益を優先していることの現れであると私は感じます。

このような事例を見ると、血圧やコレステロールなどの基準値も、国民の健康を守るためではなく、医薬業界の利益のために設定されているのは間違いのない事実であると私は感じています。


血圧についてはもう少し書きたいことがあるのですが、話が長くなるので次回この続きを書きます。
血圧はなぜ上がるのか、そして血圧を薬で下げるとなぜ体調が悪くなったり死亡率が上がったりするのか、薬を飲んだほうが良い場合と飲まないほうが良い場合などについてお話したいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。