厚労省によると、日本で一番患者数の多い病気は高血圧症で、日本人の3人に1人、実に4300万が高血圧症だそうです。


この3人に1人というのは赤ちゃんから老人までひっくるめた割合ですので、高血圧のほとんどが中年以降であることを考えると、中年以降の日本人では半数以上、高齢者に限れば7、8割の方が高血圧ということになります。


では、それらの人がみな体調不良かと言えばそうではなく、元気で健康な人がたくさん含まれていることは皆さんご存知のとおりです。


これらなんの症状もない高血圧の人は、本当に病気なのでしょうか?


そして、そのような人も薬で血圧を下げるべきなのでしょうか?

目次

年齢とともに血圧が上がるのは健康のあかし

厚労省は血圧が基準値を超えればみな病人扱いしますが、私は高血圧にはなんの問題もない「正常な高血圧」と、体の異常が原因の「病的な高血圧」とがあると考えます。

「正常な高血圧」とは、体を健康に保つために必要があって血圧が高く調整されている状態です。

例えば、身長の高い人は低い人に比べて血圧が高い傾向がありますが、それは脳まで血液をのぼらせるために心臓が高めの圧で血液を送り出しているからです。

同様に、体重が重い人のほうが軽い人よりも血圧は高めですが、大きい体の隅々まで血液を循環させるには高めの圧が必要なのです。

これらは「正常な高血圧」の例です。

年齢とともに血圧が上がるのも同様です。

血管は年を取ると少しづつ弾力を失い硬くなります。
いわゆる動脈硬化です。
これは、年とともに白髪が増えたりしわができるのと同じで、体の正常な変化です。

この硬くなった血管を通して、体の隅々まで血液を送るためには、若いときよりも高めの圧で血液を送り出す必要があります。そのために年齢とともに血圧も上がるのです。

年齢とともに血圧が上がるのは、体の変化に対応して心臓がしっかり働いているということであり、健康な証拠とも言えます。

年とともに少しずつ血圧が上がり基準値を超えたがどこも具合が悪くない、という方は健康そのものであり、病人などではありません。

血圧を薬で下げることの危険性

では、このような「正常な高血圧」を薬で下げるとどうなるのでしょうか?

脳まで血液を送る力が弱くなるため、頭がボーっとしたりフラフラする場合があります。

そのことが原因での転倒や、自動車事故などのリスクも増加します。

体がだるくなったり無気力になることもあります。

血流が悪くなることで免疫力が下がり、感染症にかかりやすくなったり癌の発症率が上がることも知られています。

現在、高血圧の診断基準は年齢に関係なく140/90以上とされていますが、1980年代までは年齢プラス90が基準でした。

60歳の人なら150、80歳の人なら170までは正常とされていたのです。

現在もほとんどの国で高血圧治療薬の処方はこの基準で行われており、140を超えた程度で薬が処方されるのは日本などごく一部の国だけです。

そのため、日本の高血圧治療薬の販売額は世界でも突出して多く、世界全体の約3分の1が日本で使用されているのです。

その日本でも、血圧を薬で下げることにより脳梗塞の発症が1.6倍になった、がんの発症が4.5倍になった、うつ病や痴呆症の発症率も上がったなどの比較調査試験の結果が報告されています。

にも関わらず、本来必要ない人にまで薬が処方されているのは問題だと思います。

日本では、国民の健康に役立たないことがわかっても、医療業界の利益になるのなら不必要な薬の使用が改められないという残念な現実があります。

新型コロナワクチンも健康被害が多発し、ほとんどの国で3回で接種を打ち切った後も、日本だけが接種を続けています。

厚労省、製薬会社、医師会にとって国民の健康より医療業界の利益のほうが大切なのでしょう。

なお、ここで述べた「年齢とともに血圧が上がるのは健康の証である」というのは私の独自の見解ではなく、患者さんの健康を真剣に考える多くの医師や専門家が同様な意見を表明しています
 
ご興味のある方は以下の書籍やサイトもご参照ください

病的な高血圧は原因を治療すべき

その一方、体のどこかに異常があり、そのため血圧が上がっている場合は「病的な高血圧」であり、治療をする、生活習慣を改めるなどの対策が必要となります。

ただしこの場合に必要な治療とは、降圧剤で血圧を下げることではなく、血圧上昇の原因となっている体の異常を治療することです。

血圧が上がるような体の異常には、自律神経の緊張、コリや痛み等による血液循環障害、老廃物や水分の体への過剰な蓄積などが挙げられます。

例えば慢性的なストレスは自律神経を緊張させ、その結果心拍数が上がり、血管壁は収縮し血圧が高くなります。

このようなときは、肩こり、動悸、頭痛、精神的な緊張など何らかの不快な症状が現れますので、鍼やマッサージで治療する、仕事や人間関係を無理のないよう整える、休暇を取りリラックスした時間を作るなどの対応が必要です。

自律神経の緊張が落ち着くと、不快な症状も取れ血圧も落ち着きます。
必要なのは薬で血圧を下げることではありません。

同様に何らかの原因で体のどこかの血液循環が悪くなると、その部位に血液を巡らせるために体は血圧を上昇させます。

運動不足や姿勢不良などで体にコリや痛みを生じたときなどにこのような高血圧が生じます。

この場合もコリや痛みを治療して血液循環を改善する、運動の習慣を身につけるなどが必要で、降圧剤で血圧を下げても意味がないばかりか、より循環が悪くなりコリや痛みがひどくなることもあるのです。

また、油や砂糖の撮りすぎで体に老廃物が蓄積すると、だるい、いつも眠い、胃もたれやおなかが張るなどの症状が現れます。

このようなときも、老廃物が溜まり流れの悪くなった血液を、しっかり全身に循環させるためには強めの圧が必要なため血圧が上昇することがあります。

このようなときは、コレステロール値なども上昇することが多いです。
(日本ではコレステロールの基準値が不当に低く設定されているので、なんの症状もなければ数値が多少高くても気にする必要はありません。)

この場合は食習慣の見直しが大切なのであって、薬で血圧を下げても病気のリスクは下がらず体の調子もよくなりません。

このように「病的な高血圧」は、原因となった体の異常を改善することが大切で、薬で血圧を下げても健康にはならないのです。

もっとも、急激に血圧が上がり頭痛やめまいがして倒れそうな場合など、緊急に血圧を下げる必要がある場合もありますので、降圧剤に全く意味がないわけではありません。

しかし体の異常をそのままにして、薬で血圧を下げるという今の医療のあり方は、本末転倒で無意味な場合が多く、健康には役立たないと感じています。

高血圧には鍼灸治療がおすすめ

職場検診や住民検診などで高血圧を指摘されても、何の症状もなく元気にすごしている場合には気にする必要はありません。

なんらかの体調不良があって血圧も高いという場合には、いきなり病院に行くのではなく、その不調を鍼灸治療で改善して、それでもご心配な場合には病院に行くのがよいと思います。

なお、あおば治療院では予診票で日頃の体調や生活習慣についてご記入いただき、詳しくお話を伺い、不調の原因を把握したうえで体全体の調子を整える治療をさせていただいています。

健康を取り戻すために必要な生活習慣上のアドバイスも行っています。

体調不良でお困りの方、血圧の数値が心配な方はぜひ一度ご相談ください。

本日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。