ストレス解消というと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?


カラオケ、スポーツ、温泉などを思い浮かべる方もいれば、お酒やスイーツという方もいるでしょう。


また、パチンコや競輪という方もいるかも知れません。


このどれもストレス解消に効果はありますが、やり方を間違えると心身の健康を損なったり、却ってストレスを強くすることもあります。


今回は前回の記事に引き続き、効果的なストレスの解消についてお話しするとともに、その中でも特に私がおすすめする鍼灸やマッサージによるストレス解消についてもご説明いたします。

目次

ストレス解消とはリラックス状態に心身を戻すこと

効果的なストレス解消についてお話するために、ストレスを受けたときの心身の状態について復習したいと思います。

前回の記事で、ストレスとは「生存の危機となる刺激を心身が感じること」だと説明しました。

事故や災害などは典型例ですが、人間は社会的な生き物なので、人間関係の不和、集団の中での孤立、失敗して自分の評価が下がるなども大きなストレスになります。

また、実際にそうならなくても、そのようなことを心配することもストレスになります。

嫌なことを想像すると嫌な気分になるし、体にも嫌な感覚を感じますよね。
頭で思い浮かべたことは体や心に反応が現れるからです。

ストレスを受けると体の反応としては、筋肉に力が入り硬くなるという変化が現れます。
また頭の中では嫌な考えがグルグルと渦巻いたりします。

これらは、最悪の事態を想定し、いつでも戦ったり逃げたり出来るように体や心が準備をしている状態です。このような心身の反応を「闘争・逃走反応」と呼びます。

危険に対してこの反応が起きることで、人類は大自然の中で生き抜いてきたのですね。

しかし、この状態が長く続くと健康が損なわれます。
逃走・逃走反応は過剰な緊張状態であり、心身がリラックスしないと睡眠や飲食物の消化吸収などがうまく行われず、心身が消耗するからです。

そこで、体から力を抜き筋肉を柔軟な状態に戻し、頭の中の嫌な考えに静かになってもらう必要があります。

ストレスを解消するとは、闘争・逃走反応にある心と体を、リラックス状態に戻すということで、その時ポイントになるのは①筋肉を緩めることと、②頭の中の考えを静かにさせることなのです。

ストレス解消のポイント①:硬くなった筋肉を緩める

ストレスを受け硬くなった筋肉とは、逃げたり闘ったりするためのエネルギーが充填された筋肉と言えます。

人類が自然の中で生きていた頃は、ストレスを受け筋肉にエネルギーが満たされると、実際に逃げたり闘ったりすることでそのエネルギーが使われ、再び筋肉は柔らかくなり精神もリラックス状態に戻ったのです。

しかし頭脳労働や考え事の多い現代では、筋肉にエネルギーが充填されても使われないために、エネルギーは停滞して筋肉の硬い状態が続き、精神も緊張を続けるのです。

この状態を解消する一番良い方法は、運動することで停滞したエネルギーを使ってあげることです。

イライラしたときに無心に体を動かすとスッキリすることがありますよね。これは、停滞していたエネルギーが使われたからです。

あるいは、カラオケで大声で歌ったり、お風呂や温泉にゆっくり入ることで停滞したエネルギーを循環させるのも良いでしょう。

エネルギーが循環すれば筋肉は柔らかくなり精神の緊張も緩むからです。

なおストレス解消のための運動は、トレーニング目的の運動と違い、きつい運動である必要はなくウォーキングなど手軽に楽しめるもので十分です。

また、ちょっとした力仕事や、雑巾がけのような体を使う家事労働にも運動と同じような効果があります。

運動のコツの1つに、目標を持ち込まないということも挙げられるかもしれません。

目標タイムを決めて走るとか、目標スコアを設定してゴルフをするなどは精神的な緊張を生むこともあり、緊張しながら運動しても筋肉の硬さが取れない事が多いのです。

目標があったほうがが楽しめるという方以外は、楽しんで気楽に運動するほうがストレス解消に効果的です。

ストレス解消のポイント②:頭の中の考え事を鎮める

ストレスを受けると、頭の中は嫌な考えでいっぱいになります。
これは、最悪の事態を想定して身を守るという「闘争・逃走反応」の思考における現れです。

人が自然の中で生きてきた頃には、危機的状況で強いストレスがかかっても、逃げたり戦ったりすると危機が去りストレスは消えました。

しかし現代では、人間関係の悩みや将来の心配など長期間続くストレスが多くなっているために、嫌な考えがいつまでも頭を離れないことがあります。

嫌な考えは不安や怒りなど不快な感情を生み、不快な感情がさらに嫌な考えを生むという悪循環に陥ることもあります。

そのためストレスを解消するには、嫌な気分を解消し頭の中の考え事を鎮めることが大切になります。

そのために、音楽を聞く、おしゃべりをする、旅行に行くなど好きなことや楽しいことをするのは良いと思います。

また、お酒やタバコ、あるいは甘いお菓子などで気分を落ち着ける方もいますし、パチンコや競輪などのギャンブルに夢中になって嫌なことを忘れるという方もいます。

これらは適度に楽しむ分には問題ないと思いますが、依存性という欠点もあります。

「気分転換」という言葉がありますが、スポーツやレジャー、お酒、タバコ、砂糖、ギャンブルなどには、ドーパミンなどの精神に影響を与え気分を変えるホルモンが脳で分泌されるという共通点があります。

スポーツやレジャーは、行動しホルモンが分泌されるまで時間がかかるので依存になりづらいのですが、お酒やタバコや砂糖は摂取すると速やかにホルモンが分泌され気分が変わるため依存を生じやすく、毎日酒を飲む、ひっきりなしにタバコを吸う、ご飯を減らしてまでお菓子を食べる、といった依存状態に陥りやすくなります。

すると体調が悪くなり、体調が悪いことでますますストレスを強く感じるという悪循環に陥ります。

また、ギャンブルは勝ったときに強烈な快感を脳が感じるため依存を生じやすく、お金がなくてもギャンブルがやめられず経済的に破綻するという恐ろしい結果に繋がることがあります。

依存性の強いものでストレス解消をはかるのは危険を伴い注意が必要です。

安全で効果の高い鍼灸やマッサージでのストレス解消

ストレス解消で私が特におすすめするのは、鍼灸やマッサージによるストレス解消です。

鍼灸やマッサージには、筋肉を緩める作用と、精神の緊張を緩め頭の中の考え事を鎮める作用の両方があるからです。
スポーツやレジャー、温泉などにもこれらの作用はありますが、ストレスが慢性化していたり、筋肉に強いコリが生じていると、筋肉の硬さも精神的な緊張も緩まないことがよくあります。

鍼灸やマッサージは、自律神経に働きかける力が強いうえに、コリを直接ほぐす効果があるのでそのようなときにも強い効果を発揮します。

あおば治療院で鍼灸やマッサージを受けた多くの方が、体が軽くなった、気持ちが楽になった、手足がホカホカしてきた、リラックスして眠くなった、などとおっしゃるのはそのためです。

肩こりや頭痛、胃腸の不調や不眠など何らかの症状を伴う方には鍼灸治療のほうが効果が高く、ストレスを自覚しているが体はあまり辛くないという方は、よりリラックスできるマッサーのほうが効果が高い傾向があります。

来院後、問診票をお書きいただき、詳しくお話を伺ったうえで適切な治療をお勧めしますが、なるべくご希望に沿った方法で施術をさせていただきますので、ご希望があればぜひお申し付けください。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。