注目キーワード
  1. 腰痛
  2. 自律神経
  3. 肩こり

不安への対処② 不安は書き出してみよう

不安は短時間だけ働くべき機能

アフリカなどに残る狩猟採集民の社会では、うつ病の発症率がほぼゼロで自殺者もゼロだそうです。
彼らは現代社会に暮らす私達よりもはるかに心の健康度の高い生活を送っているわけですが、
狩猟採集の生活では常に「いま」という目の前の時間に集中しているために、未来をあれこれ考える私達に比べて不安が圧倒的に少ないのだ、という話を前回書きました。

では、近代化した社会に暮らす私達はどうしたら不安を減らして心の健康を保てるのか、ということについて今回はお話します。

狩猟採集民にも不安はありますが、私達の抱く不安と2つの点で大きな違いがあります。
ひとつはごく短時間で終わること、そしてもう一つは対処方法が明らかであることです。

具体的に見てみましょう。森の中にいるときに草むらがガサガサと揺れたとします。
獲物が潜んでいるのか、それとも猛獣など危険な生き物が隠れているのかわかりません。
このような時に不安はあらわれます。
不安が心と体を緊張状態にして、すぐに次の行動に移れるよう備えをするのです。
やがて草むらから生き物が姿を現し、それが獲物であれば全力で追いかけ、猛獣であれば全力で逃げるか戦うかします。
不安が現れるのは短時間であり、草むらの生き物の正体がわかった瞬間に対処方法が決まるのです。
本来「不安」というのは、このように危険な事が起こる可能性がある時に、体を緊張状態にしてすぐに行動を起こせるようにするための心の作用で、短時間だけ働くべき性質のものなのです。
しかし近代化した社会に暮らす我々は、未来のことをあれこれ考えるために、短時間だけ働くべき「不安」を、長期間にわたって働かせるという機能不全を起こしているのです。
そのために心と体に負担がかかり様々な病気が発生しているのです。

対処法が決まれば不安は消える

もう一つ例を見てみましょう。狩猟採集民は数十人くらいの部族で暮らすので、すべてのメンバーが顔見知りですが、時には部族内で人間関係のトラブルが起きることもあります。
そんなときは一時的に不安になるでしょうが、そのようなトラブルは部族内の長老が双方の話を聞き裁定を下し、必ず皆がそれに従うというルールが確立しているのだそうです。
我々の社会ではトラブルが多い上に解決方法もはっきりしておらず、不安を抱えたまま時間が過ぎてゆくということが多いのではないでしょうか?
人間関係においても、狩猟採集民の不安は短時間で終わり、その対処方法も明らかなのです。

では以上のことを参考に私達の不安を軽くする方法について考えてみましょう。

狩猟採集民の不安は、森の中での不安も人間関係の不安も対処方法が明らかになった途端に終わります。
茂みに潜む生き物の正体がわかるまでは不安ですが、わかってしまえば次の行動が決まり、不安は役目を終えて消えるのです。
では我々の抱く不安も、正体を明らかにすればよいのではないでしょうか?

不安の中身をはっきりさせる

ただし私達の不安は、狩猟採集民の不安よりも複雑ですから正体を明らかにするためには少し工夫が必要です。
わたしは、そのための工夫として不安なことを紙に書き出してみることをおすすめします。

ノートを広げて、不安に思う一つのテーマについて、その何が不安なのかを思いつく限り書き出してみるのです。
書くという作業をすると、漠然としていた不安が少しはっきりしてきます。
文字にしたものを見ることで客観的にもなります。

客観的になると、「これは心配しすぎだ、実際には起こらないだろう」と思えるものも混じっていたりします。

例えば私は娘が小学生の頃、帰りが遅い時に「誘拐されたのではないか」という不安がよく現れました(笑)
これは、絶対に起こらないとは言えませんが、確率は1万分の1にも満たないものでしょう。不安になるだけ損、というようなシロモノです。
しかし、客観的になれば「大丈夫だ」と思えるような不安でも、頭の中だけで考えているときにはリアルで大きな不安だったりするのです。

さて、紙に書き出した不安をあらためて読んでみたら、そのなかでも特に怖く感じるものをもう少し具体的に見ていきます。
例えばコロナのなにが不安なのかを書き出してみたときに、自分が感染すること、家族にうつすこと、感染したことで世間からバッシングされること、職を失うかもしれないこと、の4つがあったとします。

この4つの不安をそれぞれ感じてみたときに(考えるのでなく感じることが大切です)職を失うことの不安が最も大きかったとします。

そうしたら今度は、職を失ったらなにが困るのかを再び書き出してみます。
そしてそのなかでなにが一番怖いのかを、また感じてみます。
このようにすると漠然としていた不安が、具体的に見えてきます。そして具体的になってくると、先程の私の例と同じようにさほど心配する必要はないということに気付くこともあれば、もしそうなった場合でも解決策があることに気付く場合もあります。

例えば職を失って一番困るのが、子供の学費が払えなくなることだったとしたら、奨学金をもらうこともできるんだとか、塾はやめても構わないんだとかいろいろ気付くことがあるかもしれません。

怖れていたことがおきたとしても解決策があることがわかると、不安はグッと小さくなるはずです。
解決策が見つからない場合でも、「会社をクビになったら一から出直して職探しをしてやる!」というような肚の坐った心境になるかもしれません。
漠然とした不安が具体的なものに変わると精神的にずいぶん楽になることが多いのです。

この方法は不安に苛まれている人にぜひ試していただきたいので要点をもう一度書きます

  1. 一つのテーマについて、何が不安なのかを思いつく限り書き出す
  2. そのなかで何が一番怖いのかを感じてみる
  3. その一番怖いことが起きたら何が困るのか再び紙に書き出す
  4. そのなかで一番怖いことは何なのかを再び感じてみる

このようにして不安の中身をはっきりさせます。
この時に大切なことは、書き出した不安のうち何が怖いのかを頭で考えるのではなく、体の感覚として感じてみることです
不安の中身がはっきりしたら解決策を考えたり調べたりします。
いまは、googleやyoutubeで検索するだけで様々な解決策が見つかります。図書館でたくさんの本を引っ張り出して調べていた時代よりだいぶ便利になりました。

このようにして漠然としていた不安をはっきりさせても、なお不安で落ち着かないときは心理セラピーの出番です。ぜひご相談くださいね。

関連記事

当院の心理セラピー:OST(身体心理セラピー) OSTは心と体、両方に働きかけるセラピーです。 OSTは自分の気持ちやからだの感覚に意識を向けることと、自律神経を安定させる体をつかたワークとを組み合わせて行うセラピーで、刺激の少ない[…]

IMG

風邪は万病のもと、という言葉がありますが、自律神経疾患や生活習慣病が増えた現代では不安こそが「万病のもと」であると私は感じます
不安に対処することは健康で幸せな生活を送る上でとても大切ですので、次回まとめの意味で、不安への対処法をもう一度書かせていただきますね。よかったらまた読んでみてください。

>診療時間外もネットから予約できます

診療時間外もネットから予約できます

こちらのボタンをクリックするとエキテンページが開きます  (診療時間内は電話にてご予約ください)

CTR IMG